掛川市T地内 潅水用打ち込み井戸(鞘管打ち込み工法)

長島

2019年03月29日 23:43

今回のご依頼は、井戸ポンプの水が出なくなってしまったので診てほしいとのことでした。

水が出なくなったためポンプの不調と考えたお客様が、ホームセンターで同型のポンプを購入してきて交換したようですが、症状は改善されず当店へご連絡くださったようです。





越してきたときから堀井戸があったようですが深さが2m程度で水は無かったので、数年前に他業者へ依頼して井戸輪の中へ更に吹かしの井戸工事をされたとのことです。

井戸深さは6mとのお話でしたが、実測は4mでした。

水が出なくなった原因は吸管ではないかと、試しに砂濾し器を取り外して直結して汲んでみました。







年々、水量は少なくなってきていたとお話しされていましたが、毎分30リットル汲み上げれるポンプで10リットル足らずでした。

吹かし工法の井戸だと言うことで、井戸深さが足らないのが要因ではないかと考えます。

とりあえず、揚水量は少ないですが使えないことはないことを説明させてもらうと、せっかくなので井戸を掘り直して欲しいとご用命をいただきました。


今回は海に近い場所なので、砂地であると予想しました。

通常使用する穴を開けただけの鋼管を打った場合、まず失敗に終わってしまいますので工法を変えました。

先端を開放した鉄管を打ち込み、中にステンレス製の網を巻いたビニル管ストレーナーを挿入することにしました。









思った通り、砂利が全く出てこずに、細かい浜砂ばかりでした。



地下水位はG.L.-3.45mの位置でしたので、既存の吹かし井戸の深さが4mですと水深が足らないので水が少ないのは当然の理由と言えます。



相当量の砂を汲み上げましたが、砂利が一粒も見当たらなかったので、地下保有水量に不安を感じたのが正直な感想です。

穴の開けただけの打ち込み鋼管では、これだけ細かい砂では止めることも無くすことも不可能であることが見て取れます。







ビニル管を打ち込み鋼管の中へ挿入、設置が完了しましたら、不要となった打ち込み鋼管は抜管しました。





鋼管の打ち込み長さは13.5m、井戸となるケーシングパイプはストレーナーを含めた10mが完成深度です。

気になるところの揚水量は…
















口径:30 完成深度:GL-10.0m 静水位:GL-3.45m
水量:少(推定97ℓ/min) 鉄分:2ppm 砂:僅か(細砂)
水色:灰色 水温:17.5℃ 外気温:17.0℃ 砂色:灰色



工事前に予想していた水量より遥かに少ない量でしたが、砂礫が全く無い状態で、これだけの量が出てくれたことは逆に予想外でした。

細かい砂が網の目をくぐってこないか心配していましたが、ほんの僅かに出る程度でしたので、用途である植木の水やりには差し支えないようです。

今回も2度3度とアクシデントがあって何とか乗り切ることができましたが、砂地の打ち込み井戸は思い通りにいかないことが多いと再認識しました。

さらなる精度と成功率の向上を掲げ、道具の改良や工法の工夫を考えていきたいと思います。


A様
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